水のおはなし

2026年03月16日

『水』についてお話しようと思います。

ヒトもそうですが、体の約70%は水分です。若齢ではもっと水分の比率は高くなりますが、成人及び成犬成猫は70%と言われています。

体における水の働きは大きく分けて4つあります。

●物質が溶解して体内を移動するための溶媒
●体の中での化学反応に必要
●皮膚や呼吸器から蒸発していくことで体温を調節する
●体の形態と弾性を与える。体液の主成分として関節や目の動きを円滑にしたり、神経保護、呼吸器の働きをサポートしたりする

水の必要量

2~3週間の絶食はなんとか生存できますが、絶水には数日も耐えられないと言われています。それだけ生命に大きく関わるのが水なのです。

人では1日あたり2リットルの水分摂取が必要と言われていて、わんちゃん・ねこちゃんでは、1日に必要なカロリーとほぼ同じと言われています。

しかし想像してみてください。普段2リットルもお水を飲んでいるでしょうか。

…少なくとも私はそんなに飲めません。なんなら500mlも飲んでいるかどうか…。

それでもそこそこ元気に生きていけています。脱水を感じたこともあまり無いですね。

ではどこから水分はやってくるのでしょう。

ひとつ目は飲み物として摂取する水分。これが一番わかりやすい水分摂取と言えましょう。

ふたつ目は食べ物自体に含まれる水分。食べ物も、よほどカラカラに乾燥させなければある程度水分を含んでいます。

ドライフードを食べている子はウェットフードを食べている子に比べてお水を飲む量は多いようです。

ウェットフードを食べている子はあまりお水を飲まないとされていますが、ウェットフードは70~80%が水分なので、総水分摂取量はウェットフードを食べている子の方が多いと言われています。

みっつ目は栄養素の代謝過程で作られる水分。

体内のミトコンドリアでは、脂肪・炭水化物・タンパク質から効率のいいエネルギーを作るシステムがあります。そのシステムでは最終的に水素が発生します。その水素を受け取るのが酸素で、H2O=水が生まれ、総水分要求量の5~10%をまかなっているのです。

では水分はどのようにして出ていくのでしょう。

おしっこはわかりやすい水分の排出ですが、うんちや分泌液(涙、鼻汁など)、呼吸や皮膚からの蒸散(汗)などでも出ていきます。

おしっこについては水分を捨てすぎないように腎臓がコントロールしていますが、腎臓病、糖尿病があると水分のコントロールが難しくなり脱水状態になりやすくなります。

摂食量の減少や口渇感の低下も合わせて考えると、若い子よりシニアの子は特に脱水に注意が必要です。

お腹の病気は年齢に関わらずよく見られ、下痢や嘔吐によってもたくさんの水分を失ってしまいます。その場合は口から摂取しても効率よく水分を摂取できず、さらに吐いてしまう可能性もありますので病院での点滴が必要になる場合があります。

 

日常で何を気をつけたらいいのでしょう?何を飲ませたらいいのでしょう? 

日本は水道水が飲める珍しい国と聞いたことがあります。

水質は全蒸発残留物(TDS)を求めることで検査されていて、その内容は塩分、硝酸塩、亜硝酸塩、有害物質、微生物を含みます。

TDSが7000ppm以上は飲用に適さないと言われていますが、水道水の全国平均は100ppmくらいです。ちなみにppmとはparts per million=100万分の1です。つまり、かなりきれいな水が上水道を通っているのです。

しかし1つ注意点があります。

水に含まれる硝酸イオンは微量で、害は出ないとされていますが、細菌汚染された水では硝酸イオンが有害な亜硝酸に還元促進されてしまうとのことです。

なので、常にきれいな水をあげるようにしてください。

ミネラルウォーターはどうなんでしょう?という質問をお受けしたことがあります。

特に尿結石症のあるわんちゃん・ねこちゃんにおいては結石の成分がミネラルですので、心配になると思います。

ストルバイト尿石の成分であるマグネシウムは確かに含まれていますが、ごく微量です。食事に含まれるマグネシウムの方が1万倍くらい入っています。

ですので関与は薄いと言われていますが、全く無関係でもないので、ご心配であれば水道水を、もっと厳密に気をつけたい!という方には蒸留水が理想的とお伝えしています。

さて、長くなりましたが水の話はここまでとなります。

今後もこんな感じの、ちょっとマニアックなお話をお送りできればと思います。