2026年03月16日
時々、「先生、生肉はどうなんでしょう」という質問が聞こえます。
食欲が低下してきたり、ふつうのごはんを食べなくなってしまったりと心配になってのご質問と思われます。または、「犬の祖先はオオカミだから、オオカミは獲物を生のまま…云々」などといった理由もあるのかもしれません。
では実際のところ、どうなのでしょう?
遥か昔にオオカミは家畜化され、人と長く暮らしていくうちに食性や消化の効率が大きく変化しました。犬は純粋な肉食ではなく、肉食寄りの雑食と言われています。
猫は純粋な肉食動物ですが、穀物や植物が消化できないわけではありません。犬よりは変化が少ないですが、人と暮らしていくうちに変化していきました。
そのため生肉が最良とは言えない食性・体質になっています。
かつてアメリカのレース犬は、毛艶や筋肉の付き方が良くなるという理由からウマの生肉を与える風習がありました。しかしその当時ウマインフルエンザが流行し、それがレース犬にも感染し、さらに犬同士で伝染していく最悪の事態になりました。
感染症法で問題になるような、E型肝炎ウイルス、腸管出血性大腸菌O-157、伝達性海綿状脳症(BSE/いわゆる狂牛病)などにかかってしまった動物は、公衆衛生の観点から安楽死が選択されてしまいます。飼い主にも社会的責任が問われるでしょう。
以上のことから、畜肉やジビエの生食は決しておすすめしません。
フリーズドライの肉などがおやつとして販売されているものがありますが、製法をよく確認し、ウイルス対策が行われているかしっかり見て選びましょう。

