2026年03月16日
ペットフードが初めて作られたのは1860年と長い歴史がありますが、国内において「愛玩動物用飼料の安全性の確保に関する法律」(ペットフード安全法と呼ばれることが多いです)が成立したのは2008年と、割と最近の法律となっています。
そのころに何があったか、覚えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。もしくは、「メラミン」という言葉を耳にした方も多くいらっしゃると思います。
今回はちょっとテイストを変えて、この法律を作るに至った出来事を振り返ろうと思います。
きっかけは2007年、カナダにある北米最大のペットフード製造会社Menu Foods社によるリコールでした。
当時の新聞の報道では、
・Menu社製のフードを食べた動物に致死性の腎不全が発生するとの報告があり、アメリカでは10頭の犬が死亡。腎臓疾患や昏睡、嘔吐などの症状を起こしているペットが多数いる。
・同社によって製造されているフードは数百種類あったが、どのフードが原因かわからないためかなり大規模なリコールを行っている。
・新しい供給者からの原料導入と同時に起こっている可能性。速やかに取引を停止している。
…とのことでした。
その4日後には、原因が汚染された小麦グルテンによるものではないかと報じられています。
その後の調査で、ペットフードの原料に使われる小麦グルテン、ライスグルテン、コーングルテン等からメラミン(プラスチックや肥料の原料となる化合物)が検出され、その製造は中国で行われていることがわかりました。
Menu社製品に限らず、様々なペットフードメーカーに卸されていたために、そのリコールはさらに大規模なものになり、犬用では14社690銘柄、猫用では12社454銘柄に及びました。
では、メラミンは何故混入してしまったのでしょうか?
どうやら、たんぱく質を見かけ上高く見せるため(高たんぱく食にするため)の偽装として意図的に混入したもののようで、事故ではないようでした。
一連の騒動は時々刻々と状況が変わっていき、日本でも連日報道されていました。
はじめは対岸の火事としてみていたかもしれません。
海外製品を輸入販売している国内業者にも通達され、回収されていると考えられていました。
ところが、東北地方の量販店の店頭にリコール対象の製品が販売されていることが判明しました。慌てて回収されたみたいですが、当時のペットフードに関する問題が浮き彫りになる事態となりました。
・輸入品は正規輸入代理店経由でないものはリコールなどの情報が入らない。
・当時の法律では回収や廃棄の命令が行政としてできない。
・また、かねてより動物愛護団体関係者から「ペットフードは取り締まる法律がないので野放し状態」と指摘されていた。
・各業界による自主的な取り組みだけでは限界がある。
このような背景から2007年8月に「ペットフードの安全確保に関する研究会」が環境省と農林水産省の合同で組織され、2008年6月に公布に至りました。
ヒトの食品等に関しては、JAS法(農産物などに対して原産地や消費期限、遺伝子組み換えかどうかなど、必要事項の表示を定めたもの)や食品衛生法(一定の加工食品や鶏卵について、必要事項を表示するよう定めたもの)、 健康増進法(主にサプリメントに関することを定めている。医薬品的な表現をするとダメとか)、栄養表示基準、残留農薬等に関するポジティブリスト制度、食品安全基本法、食品衛生責任者、食品、添加物等の規格基準、乳および乳製品の成分規格等に関する省令、ふぐ条例、薬事法と食品表示、食品広告などかなり細分化されています。
ペットフード安全法では添加物についてヒトの食品衛生法などに基づいて種類や量について定めています。
ペットフードやペット用ミネラルウォーター、おやつ、サプリメントなどが対象となっていますがまたたび、猫草は対象外のようです。
安全なもの・より良いものにしよう、というより危なくないものならOKという法律です。
成分や表示について基準を守りましょう、害のある成分や微生物等が含まれないように製造しましょう、販売者は害のある成分が含まれた製品を販売・輸入しないようにしましょう、有害なものが検出された場合には法に基づいて回収・廃棄しましょう、という概要になっています。
まだ若い法律ですので、もしかしたらその穴をつく悪徳業者もいるかもしれません。
国産のものなら安心、と考えてしまいがちですが印字されている産地は「最終工程を行った国」となっているので原材料も国産とは限りません。
正しく良いものを選べるよう、情報には目を光らせておきましょう!

