エネルギー要求量の個体差のおはなし

2026年03月16日

前回、1日あたりのエネルギー要求量のおはなしをしました。しかしこれは個体差に大きく左右されてしまいます。

では、個体差とはどんなものをさすのでしょう?

1987年のデータでは、同条件下(室温、ケージの広さなど)で飼育した犬120頭、猫76頭について理想体重を維持できるエネルギー要求量はどのくらいなのか調査しています。

⇒計算上DERを100%としたとき、犬で43~152%、猫で61~139%という大きい差が見られたとの結果でした。

①活動性の差

同じ広さの部屋でも、その中で絶えず動き回っている子もいればおとなしくしている子もいます。

②消化の差

同じごはんでも上手に消化できて効率よくエネルギーを取れる子もいれば、消化が苦手でうまくエネルギーを獲得できない子もいます。

③被毛の差

毛の密度や長さもみんな異なります。毛が短い、または薄い子は体温を維持するために多くのエネルギーを消費します。逆に毛が長い、または密に生えている子は体温維持にそれほどエネルギーを必要としません。

④体表面積・体長の差

同じ体重でも体表面積が広ければ、体表から出て行く熱は多くなります。

この調査は同じ室温で行っていますが、もちろん気温(室温)も関係が深いものです。寒いところにいる動物の方がエネルギー消費が10~90%増加すると言われています。他にも、年齢や基礎疾患の有無も関係します。

ヒトでは男女で差がありますが、わんちゃん・ねこちゃんの場合エネルギー消費量に性差はないとされています。

以上のことから、計算したDERは必ずしも適切とは言えず、個々に合わせて調節が必要になります。ごはんの種類によっても含まれるカロリーは大きく異なりますので、ごはんを変えた時も計算をしなおす必要があります。

当院ではごはんを紹介する際、このDERの計算をして給与量をご提案することがありますが、その後ごはんをあげてもらうのはご家族になります。

ごはんをあげて終わり、ではなくその後の体重の変化や体調をよく見てあげてくださいね。